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有価証券報告書6,245件を独自集計、上場企業1,173社の広告宣伝費を分析。調査レポート「広告内製化白書」を公開しました2026年9月7日
株式会社メンバーズ フォーアドカンパニーは、金融庁EDINETに開示された有価証券報告書等の公開情報のみに基づく独自調査レポート「広告内製化白書」を公開しました。本白書は、当社サイトのダウンロードページより、どなたでも無償でダウンロードいただけます。
本白書は、有価証券報告書6,245件を全件スキャンし、上場企業1,173社の広告宣伝費を独自に集計。求人・組織改編・有価証券報告書での言及・M&A という4つの独立した公開シグナルを重ね合わせることで、広告運用の「内製化」の広がりを検証可能な形で示したものです。
白書公開の背景
近年、広告運用の一部工程はAIによる入札最適化や生成AIによるクリエイティブ制作支援によって自動化が進み、事業会社が広告運用の一部または全部を自社に取り込む「内製化」の動きが、個別の事例として断片的に報じられるようになりました。しかし、その広がりを業界横断で裏付ける定量データは、これまで体系的に整理されてきませんでした。
そこで当社は、特定の調査会社や代理店の主観的な調査に依拠せず、EDINETに開示された有価証券報告書という公的な一次情報を機械的に取得・集計し、性質の異なる複数の公開シグナルを重ね合わせることで、内製化の動きを検証可能な形で示す本白書を制作しました。
本記事では、白書の内容から2つのポイントを、図とあわせてご紹介します。
白書ダイジェスト① 広告費の「重み」は業種で決まる
第1章では、EDINET開示企業1,173社の広告宣伝費と対売上比率を一次集計しています。その一部を、白書の図をインタラクティブに再構成してご覧いただけます。
図:上場企業の「広告宣伝費」と「売上に占める比率」
有価証券報告書から独自集計した1,173社のうち、広告宣伝費が大きい企業・比率が高い企業を中心に抜粋。円をホバー/タップすると各社の数値が表示されます。(金融業は別掲のため非表示)
輸送用機器
その他の業種
円の大きさ=売上高
0%10%20%30%
30億100億300億1,000億3,000億
ソニーグループソニーグループ電気機器広告宣伝費4,401億円売上高124,796億円対売上比率3.5%
日産自動車日産自動車輸送用機器広告宣伝費3,153億円売上高122,381億円対売上比率2.6%
イオンイオン小売業広告宣伝費1,376億円売上高113,399億円対売上比率1.2%
パナソニック ホールディングスパナソニック ホールディングス電気機器広告宣伝費953億円売上高80,487億円対売上比率1.2%
マツダマツダ輸送用機器広告宣伝費1,507億円売上高78,613億円対売上比率1.9%
スズキスズキ輸送用機器広告宣伝費757億円売上高62,930億円対売上比率1.2%
SUBARUSUBARU輸送用機器広告宣伝費1,148億円売上高47,850億円対売上比率2.4%
リクルートホールディングスリクルートホールディングスサービス業広告宣伝費2,821億円売上高37,265億円対売上比率7.6%
ファーストリテイリングファーストリテイリング小売業広告宣伝費1,085億円売上高34,005億円対売上比率3.2%
楽天グループ楽天グループサービス業広告宣伝費3,444億円売上高28,285億円対売上比率12.2%
キリンホールディングスキリンホールディングス食料品広告宣伝費1,818億円売上高24,334億円対売上比率7.5%
任天堂任天堂その他製品広告宣伝費1,447億円売上高23,131億円対売上比率6.3%
第一三共第一三共医薬品広告宣伝費3,404億円売上高21,230億円対売上比率16.0%
花王花王化学広告宣伝費1,340億円売上高17,345億円対売上比率7.7%
サントリー食品インターナショナルサントリー食品インターナショナル食料品広告宣伝費1,626億円売上高17,161億円対売上比率9.5%
味の素味の素食料品広告宣伝費482億円売上高16,331億円対売上比率2.9%
バンダイナムコ ホールディングスバンダイナムコ ホールディングスその他製品広告宣伝費826億円売上高14,378億円対売上比率5.7%
ニトリ ホールディングスニトリ ホールディングス小売業広告宣伝費242億円売上高9,265億円対売上比率2.6%
サイバーエージェントサイバーエージェントサービス業広告宣伝費682億円売上高9,111億円対売上比率7.5%
ライオンライオン化学広告宣伝費174億円売上高5,051億円対売上比率3.5%
ロート製薬ロート製薬医薬品広告宣伝費409億円売上高3,560億円対売上比率11.5%
ZOZOZOZO小売業広告宣伝費171億円売上高2,284億円対売上比率7.5%
メルカリメルカリ情報・通信業広告宣伝費399億円売上高1,944億円対売上比率20.5%
小林製薬小林製薬化学広告宣伝費135億円売上高1,779億円対売上比率7.6%
カカクコムカカクコムサービス業広告宣伝費202億円売上高942億円対売上比率21.4%
ビジョナルビジョナル情報・通信業広告宣伝費244億円売上高802億円対売上比率30.4%
新日本製薬新日本製薬化学広告宣伝費113億円売上高411億円対売上比率27.5%
じげんじげん情報・通信業広告宣伝費65億円売上高295億円対売上比率21.9%
エアトリエアトリサービス業広告宣伝費55億円売上高281億円対売上比率19.7%
カヤックカヤック情報・通信業広告宣伝費71億円売上高201億円対売上比率35.1%
弁護士ドットコム弁護士ドットコムサービス業広告宣伝費21億円売上高163億円対売上比率12.8%
北の達人コーポレーション北の達人コーポレーション化学広告宣伝費30億円売上高112億円対売上比率26.8%
金額が大きい企業と、比率が高い企業は一致しません。広告宣伝費の絶対額で最大なのはソニーグループ(4,401億円)・楽天グループ(3,444億円)・第一三共(3,404億円)ですが、対売上比率では第一三共が16.0%と際立つ一方、日産自動車は2.6%、ソニーグループも3.5%にとどまります。ソニーグループ・日産自動車・イオンなど売上規模の大きい企業は右下(金額は大きいが比率は低い)に、消費者接点の多い情報・通信業やサービス業、医薬品などは上方に位置し、広告費の「重み」は金額の大小ではなく業種特性によって規定されることが読み取れます(対売上比率の中央値は全体で1.78%)。
この図のデータを表で見る(抜粋32社)
| 企業 | 業種 | 広告宣伝費 (億円) |
売上高 (億円) |
対売上 比率 |
|---|---|---|---|---|
| ソニーグループ | 電気機器 | 4,401 | 124,796 | 3.5% |
| 楽天グループ | サービス業 | 3,444 | 28,285 | 12.2% |
| 第一三共 | 医薬品 | 3,404 | 21,230 | 16.0% |
| 日産自動車 | 輸送用機器 | 3,153 | 122,381 | 2.6% |
| リクルートホールディングス | サービス業 | 2,821 | 37,265 | 7.6% |
| キリンホールディングス | 食料品 | 1,818 | 24,334 | 7.5% |
| サントリー食品インターナショナル | 食料品 | 1,626 | 17,161 | 9.5% |
| マツダ | 輸送用機器 | 1,507 | 78,613 | 1.9% |
| 任天堂 | その他製品 | 1,447 | 23,131 | 6.3% |
| イオン | 小売業 | 1,376 | 113,399 | 1.2% |
| 花王 | 化学 | 1,340 | 17,345 | 7.7% |
| SUBARU | 輸送用機器 | 1,148 | 47,850 | 2.4% |
| ファーストリテイリング | 小売業 | 1,085 | 34,005 | 3.2% |
| パナソニック ホールディングス | 電気機器 | 953 | 80,487 | 1.2% |
| バンダイナムコ ホールディングス | その他製品 | 826 | 14,378 | 5.7% |
| スズキ | 輸送用機器 | 757 | 62,930 | 1.2% |
| サイバーエージェント | サービス業 | 682 | 9,111 | 7.5% |
| 味の素 | 食料品 | 482 | 16,331 | 2.9% |
| ロート製薬 | 医薬品 | 409 | 3,560 | 11.5% |
| メルカリ | 情報・通信業 | 399 | 1,944 | 20.5% |
| ビジョナル | 情報・通信業 | 244 | 802 | 30.4% |
| ニトリ ホールディングス | 小売業 | 242 | 9,265 | 2.6% |
| カカクコム | サービス業 | 202 | 942 | 21.4% |
| ライオン | 化学 | 174 | 5,051 | 3.5% |
| ZOZO | 小売業 | 171 | 2,284 | 7.5% |
| 小林製薬 | 化学 | 135 | 1,779 | 7.6% |
| 新日本製薬 | 化学 | 113 | 411 | 27.5% |
| カヤック | 情報・通信業 | 71 | 201 | 35.1% |
| じげん | 情報・通信業 | 65 | 295 | 21.9% |
| エアトリ | サービス業 | 55 | 281 | 19.7% |
| 北の達人コーポレーション | 化学 | 30 | 112 | 26.8% |
| 弁護士ドットコム | サービス業 | 21 | 163 | 12.8% |
出所:金融庁EDINETに開示された有価証券報告書(2025年4月〜2026年6月提出の直近本決算)をフォーアドカンパニーが独自集計。広告宣伝費を金額開示している企業のみが対象で、日本の上場企業全体を代表するものではありません。銀行・保険・証券等の金融業はPL構造が異なるため別掲(本図には含まれません)。一部の高比率企業(対売上比率38%超)は表示範囲外。
白書ダイジェスト② 内製化の兆候は、複数の公開シグナルで見えてくる
第3章では、内製化を「意図 → 組織化 → 言及 → 実行」という時間軸でとらえ、各段階に対応する公開情報を観測しました。
「内製化の兆候」を4つの独立した公開シグナルで検証
内製化を単独で証明する決定的な一次データは存在しません。そこで本白書は、性質の異なる4つの公開情報を重ね合わせ、いずれも同じ方向を指しているかを確認しました。(各ボックスにカーソルを合わせる/タップすると内訳が表示されます)
広告運用 内製化3,343
インハウス 広告運用2,847
広告運用 インハウス化2,270
デジタルマーケティング 内製化1,989
リスティング 運用 インハウス589
MIXI CAIO(Chief AI Officer)新設
NTTドコモ マーケティングソリューション本部2026/7
KDDI ビジネスマーケティング本部2026/4
SBIホールディングス SBIネオメディアHD設立2025/5
ライフネット生命保険/SBIホールディングス/ツクルバ/ユーグレナ/IBJ/ゲオホールディングス/シーボン/和心/ジオコード ほか
10社=供給側が「クライアントの内製化」を証言
GMOインターネットグループ/東北新社/インティメート・マージャー/オロ ほか
ヤーマン(美容機器)forty-four
昭文社HD(地図・出版)BEASTAR
BIPROGY(ITシステム)カタリナM.ジャパン
フリービット(通信)YOYO Holdings
ほか計11社
意図 → 組織化 → 言及 → 実行 ── という時間軸で、独立した観測がいずれも「広告運用を自社に取り戻す動き」と整合しています。
とりわけ L3(有価証券報告書での言及) は、Web検索では出てこない、EDINET全文検索でしか把握できない一次データです。ライフネット生命保険・SBIホールディングス・ゲオホールディングス・ユーグレナなど、自社の広告・マーケティング運用の内製化を有報で語る企業を14社特定し、原文を1件ずつ目視で確認しています。白書本文では、各社の記述内容・出典(決算期・提出日・EDINET書類管理番号)まで一覧化しています。
「広告内製化白書」の特長
・完全オリジナルの一次集計:他社の調査結果には依拠せず、EDINET開示書類6,245件を独自に取得・分析
・徹底した第三者性:発行元は広告事業を取り扱っていますが、自社の実績・事例・営業的主張は一切含まず、業界全体の動向を示す事実の集積として構成
・複数の独立した公開シグナルによる多角的な検証
・限界の明示:集計方法・母集団・データの限界をすべて注記した上で提示し、「兆候」と「証明」を明確に区別
白書の構成
- 1-1 日本の広告費(参照点)
- 1-2 集計の方法と対象範囲
- 1-3 広告宣伝費 × 対売上比率
- 1-4 業種別に見る広告費の重み
- 1-5 広告宣伝費 上位企業
- 1-6 対売上比率の分布
- 2-1 代理店担当者の入れ替わりという実感
- 2-2 AIによる運用の民主化
- 2-3 広告費の増加は個社レベルでも確認できるか
- 2-4 肥大化した広告費とフィーへの問い直し
- 2-5 小括
- 3-1 L1|求人シグナル(意図=先行指標)
- 3-2 L2|組織シグナル(補助事例)
- 3-3 L3|有報言及シグナル(定点観測の背骨)
- 3-4 L4|成果発信シグナル(事例の顔と物語)
- 3-5 M&Aによる広告・マーケティング機能の内製化
- 3-6 結論
このほか「はじめに」「エグゼクティブサマリー」、付録A〜D(金融業28社の別掲/採用した勘定科目名一覧/L3で除外した企業一覧/L3引用元の出典一覧)、免責事項を収録。
このような方におすすめです
・広告主企業のマーケティング責任者・経営層で、自社の広告運用体制(内製/代理店活用)を見直す判断材料が欲しい方
・広告代理店・広告関連事業者で、業界の構造変化を客観的なデータで把握しておきたい方
・業界動向を扱うメディア・アナリスト・研究者の方
ダウンロード方法
下記のダウンロードページより、必要事項をご入力のうえ無償でダウンロードいただけます。本記事で紹介した図表・数値の詳細、集計方法・母集団・データの限界は、いずれも白書本文内に明記しています。
- ※本白書は、EDINET等で公表された各種情報・データを基に情報提供のみを目的として作成したものであり、特定企業の経営内容、株式、サービス等に対する推奨、評価、または投資勧誘等を目的としたものではありません。詳細な免責事項は白書本文をご確認ください。
- ※本記事中の図表・数値はすべて公開情報のみに基づく独自の一次集計です。
- ※フォーアドカンパニーは、株式会社メンバーズの社内カンパニーです。



